
暑くなると、「エアコンの室外機を冷やすグッズ」が気になります。日よけパネル、すだれ、室外機カバー、遮熱シートなど、ホームセンターやネットショップでもいろいろ見かけます。
先に結論を書くと、買うなら「室外機をおおう物」ではなく、「日差しをよけて、風を通す物」を選ぶのが基本です。
- 使いやすい: 上から日差しをよける日よけパネル
- 取り入れやすい: 室外機から少し離して置くすだれ・よしず
- 条件付きで使える: 天面だけに使う遮熱シートやマグネット式カバー
- 注意が必要: 前面や側面をふさぐ箱型カバー
- 避けたい: 水をかけ続ける、ぬれタオルをのせる、氷や保冷剤を置く
室外機は、冷房中に部屋の熱を外へ捨てるための機械です。ここが熱くなりすぎたり、風の通り道がふさがれたりすると、エアコンが余計にがんばることがあります。つまり、室外機対策は「冷やす」よりも「熱を逃がしやすくする」と考えると選びやすいです。
まず見るポイントは「日差し」と「風通し」
ダイキンは、冷房中の室外機は部屋の熱を外へ捨てるために放熱していると説明しています。そのうえで、室外機の前を空けて風通しをよくすること、直射日光が当たる場合は少し離れた場所によしずを立てるなどして日陰を作ることを節電の工夫として紹介しています。
パナソニックも、室外機の吹き出し口をふさぐように物を置くと冷房効率が大きく低下することがあると案内しています。また、室外機の設置スペースは、前後左右と上に必要な寸法を取り、3方向は開放するよう説明しています。
ここから分かるのは、室外機まわりのグッズ選びで大事なのは次の2つです。
- 直射日光をやわらげる
- 吹き出し口と吸い込み口をふさがない
日よけグッズを付けても、風が出る正面をふさいでしまうと逆効果になりやすいです。「日陰を作る」と「囲う」は別物だと考えてください。
日よけパネルは、まず候補にしやすい
いちばん分かりやすいのは、室外機の上に取り付ける日よけパネルです。天面に当たる直射日光をやわらげる目的のグッズで、ベルトで固定するタイプ、マグネットでのせるタイプ、簡易な屋根のように取り付けるタイプがあります。
選ぶときは、価格より先に次を見ます。
- 室外機の幅と奥行きに合うか
- 強風で飛ばないよう固定できるか
- 前面のファンをふさがない形か
- 側面や背面の空気の通り道をふさがないか
- 賃貸なら壁や設備に穴を開けずに使えるか
天面だけを日よけするタイプは、正面の吹き出しをふさぎにくいので使いやすいです。ただし、軽い商品は風でずれたり飛んだりすることがあります。台風前や強風の日は外す、固定具を確認するなど、使いっぱなしにしないほうが安全です。
山善公式サイトでは、天面に貼る日よけフィルムが紹介されています。こうした商品を見るときも、「冷房効率アップ」という言葉だけで選ばず、自宅の室外機に合う寸法か、前面をふさがないかを確認しましょう。
すだれ・よしずは「少し離して」使う
すだれやよしずは、室外機そのものに密着させるより、少し離して日陰を作る使い方が向いています。ダイキンは、室外機から1mほど離れたところに植木を置いたり、よしずを立てかけたりして日陰を作る工夫を紹介しています。
この「離す」が大事です。
室外機のすぐ前にすだれを垂らすと、日差しは避けられても、熱い風の逃げ道を邪魔することがあります。ベランダが狭い場合は、室外機の正面ではなく、日差しが来る側に斜めに置くなど、空気が抜ける道を残します。
すだれ・よしずを使うときの目安は次の通りです。
- 室外機の正面にぴったり置かない
- 風で倒れないよう固定する
- 排水や掃除の邪魔にならない位置にする
- 可燃物として長く放置しない
- 台風前は片づける
見た目よりも、風が抜けるかどうかを優先します。

箱型の室外機カバーは、形をよく見る
木目調やアルミ製の室外機カバーは、見た目を整えたり、上に小物を置けたりする商品もあります。ただし、室外機の暑さ対策として選ぶなら注意が必要です。
前面のルーバーが細かすぎるもの、側面までぴったり囲うもの、室外機とのすき間が少ないものは、放熱の邪魔になることがあります。パナソニックの設置条件でも、通風路を確保するために3方向を開放することが案内されています。
買う前に、次を確認してください。
- 前面の吹き出し口の前に十分な空間があるか
- 側面や背面に空気の通り道が残るか
- 室外機のメーカー指定の設置スペースを守れるか
- 上に荷物を置きすぎない構造か
- 掃除や点検のときに外しやすいか
「おしゃれなカバー」でも、室外機を箱の中に閉じ込めるような使い方は避けたいです。見た目を整えたい場合も、正面が大きく開いていて、室外機とのすき間をしっかり取れるものを選びます。
遮熱シートやマグネット式は、天面だけなら検討しやすい
天面に貼る遮熱シートや、マグネットでのせる日よけカバーもあります。ダイソーのネットストアにも、マグネットタイプの室外機日よけカバーが掲載されています。ホームセンターでも、室外機用の遮熱パネルや吸着シートが売られています。
このタイプは手軽ですが、次の点に注意します。
- ファンやフィンにかからないようにする
- 排水穴やねじ、点検口をふさがない
- 雨や日差しで劣化したら交換する
- 磁石が付かない素材の室外機もある
- 取扱説明書で禁止されていないか確認する
特に、室外機の横や背面の細い金属部分は熱交換に関わる大事な部分です。そこへシートを貼ったり、物を立てかけたりしないでください。天面だけを日よけするつもりでも、ずれて側面をふさぐようなら使い方を見直します。
水をかける対策は、基本的におすすめしにくい
「室外機に水をかけると冷える」と聞くことがあります。たしかに、水が蒸発するときに周囲の熱を奪うため、短い時間なら温度が下がることはあります。
ただし、家庭で続ける対策としてはおすすめしにくいです。
- 電気部品に水が入るおそれがある
- 高圧の水でフィンやファンを傷めることがある
- ぬれたタオルや保冷剤で空気の通り道をふさぐことがある
- 水がベランダや隣家へ流れて迷惑になることがある
- カビ、ぬめり、劣化の原因になることがある
パナソニックのお手入れ案内では、室外機を手入れするときは作業前に電源プラグを抜くこと、金属部分に直接触れないことなどが案内されています。ダイキンも、室外機周辺の掃除は基本のひとつとしながら、内部の熱交換器が汚れている場合は専門業者への依頼をすすめています。
掃除として外側の汚れを取ることと、冷やすために水をかけ続けることは別です。冷やしたいなら、水よりも日よけと風通しを優先しましょう。
室外機の周りに物を置かないことも大事
室外機まわりは、つい物置きになりがちです。植木鉢、段ボール、掃除道具、空のペットボトル、収納ボックスなどを置いている家もあります。
しかし、これは冷房効率だけでなく、安全面でもよくありません。NITE(製品評価技術基盤機構)は、エアコン室外機の周囲に可燃物が置かれていると、可燃物に火が付いたときに室外機へ燃え移り、大きな火災につながるおそれがあると注意を呼びかけています。
室外機を冷やすグッズを置く前に、まず周りを片づけます。
- 正面に物を置かない
- 側面と背面に落ち葉やごみをためない
- 段ボールや紙類を近くに置かない
- ペットボトルやスプレー缶を置かない
- 風で飛びそうな軽い物を減らす
日よけグッズを足すより、先に物をどかすほうが効果的な家も多いです。
買うならこの順番で考える
室外機を冷やすグッズは、次の順番で考えると失敗しにくいです。
- 室外機の正面、横、背面を片づける
- 室外機の取扱説明書やメーカーの設置条件を見る
- 直射日光が強い時間帯と方向を確認する
- 離して置けるなら、すだれ・よしずを検討する
- ベランダが狭いなら、天面用の日よけパネルを検討する
- 箱型カバーは、前面と側面の通風を確認してから選ぶ
買ってすぐ取り付ける前に、日中に一度、室外機の周りを見てみてください。日差しが当たっているのは上なのか、横なのか。熱い風はどちらへ出ているのか。そこを見るだけで、必要なグッズが変わります。
室外機対策は、エアコンの電気代を大きく下げる方法ではありません。それでも、直射日光を避け、風通しをよくし、周りを片づけることは、冷房を無理なく使うための基本です。
「冷やすグッズ」を探すときほど、室外機をふさがない。ここだけは忘れないようにしたいです。

コメント